2010/11/04

盲目の世界を体験。Dialog In The Dark(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)

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皆さんは見えないアートを見た事があるでしょうか?
このDialog in the dark(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)という体験型展示はまさに目に見えないアート。"見えない"というのは比喩ではなく本当に何も見る事が出来ません。光を全てシャットダウンした完全な暗闇をアテンドさんや参加者の声と白い杖を頼りに盲目の世界を体験するという試みなのです。
日常生活でも真っ暗闇の中、例えば寝る前などで闇の世界を体験していますが、微かな光を頼りに目が慣れ自身の手や1メートルくらい先を見る事は出来ると思います。しかしこのダイアログ・イン・ザ・ダークでは完全な闇を再現している為、目が慣れるという事もなく完全にブラックアウトした世界に身を置く事になります。
そんな闇の案内役(アテンド)は全盲の方。ほとんど初対面の8人1組をまとめて案内してくれます。
闇の世界に入るまでは、全員他人行儀で挨拶も軽く会釈をする程度。しかし闇の世界では表情で会話する事が出来ない為、自然と声と声で会話をする事になり、驚くほどの早さで打ち解け合う事が出来ます。『この手は誰ですか?』『qrosaaのですよ。』とか『qrosaa座ります』などなど会話が自然と生まれてコミュニケーションが発生します。普段なら顔やファッションなどの先入観に囚われてしまうコミュニケーションの障壁を暗闇によって一瞬にして壊されます。

もちろん暗闇の世界を生きる為に必要な事は会話だけではありません。触覚、嗅覚、聴覚、味覚など視覚以外の感覚をフル活用して進んでゆきます。足が触れる床の感覚、水が流れる音、草の匂いなどが全ての頼りです。全てそこからの情報によって世界を構築してゆく過程を繰り返すにつれ日常的にどれだけ視覚に依存しながら生きているか、そして大切な他の感覚を見失っているかに気付き、目からウロコならぬ、手から鼻から耳から舌からウロコでした。

展示の最後には暗闇のバーで参加者全員で食事。ワインを赤か白かを味覚だけを使って当てるなど最後の最後まで驚きの連続で約1時間半ほどの体験で非常に多くを学ばせて頂きました。

興味のある方は是非ダイアログ・イン・ザ・ダークへ行ってみて下さい。特に都内在住の方は是非!私と一緒に参加した方でわざわざ大阪からいらした方もいましたよ。
大人:5000円と少々高い気もしますが、今まで味わった事の無い世界や感覚、そして視覚障害者への理解を深める為の良い機会であると感じました。必ずこのお金はアテンドさんにも還元されているはずですし。

何かに迷った時は一度目を閉じてみましょう。
そしてジョンレノンの言葉を借りるならこうでしょうか。
Living is easy with eyes closed  Misunderstanding all you see
(目を閉じて生きる事は簡単だ。見えるのは誤解ばかり)

もちろんたくさん良いものも見れますが、目を閉じて見える美もあるのだと感じます。




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