2010/04/12

『HurtLocker』と『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』

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いきなり重苦しいタイトルで申し訳ないが、
丁度戦争ものの映画と本を同じ時期に触れたのでその感想を...。

言わずと知れた今年度アカデミー作品賞受賞作『ハートロッカー』。
爆弾処理の話と聞いて地味で退屈するんじゃないのかという不安を胸にいざ劇場へ。
はっきり言ってそんな不安は10分程度で消し飛びました。

映画を観ているだけなのに常に緊張が走り、それが快感へと変化してゆく。
冒頭でのメッセージ『戦争とは麻薬である』の言葉通り完全に緊張が快感になってゆき、
主人公が危険な行動を起こせば起こすほどにその快感を増してゆく。
とにかく凄いものをみせられたとしか言えません。

イラク戦争がどうとか政治的な内容ではなく
爆弾処理しか出来ない男の生き様を描いた漢(おとこ)映画。
意味は無いかもしれない...、でもやるんだよ!
そんな魂を感じる傑作。

詳しくは宇多丸氏と町山氏のハートロッカー評論バトルの模様を聞いてください。
http://podcast.tbsradio.jp/utamaru/files/20100327_podcast_1.mp3
続いて『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』 これは2003年頃出版された本の文庫化で、講談社から発売しています。 ベトナム帰還兵アレン・ネルソン氏の戦争体験をもとに 海兵隊の訓練、実際の戦場など一兵士の心理をベースに描かれます。 恐らくこれを読んで多くの人が映画『フルメタルジャケット』を連想するでしょう。 またネルソン氏自身が黒人である事も大きく物語に関わります。 兵士でいる間が唯一白人と平等に扱われる事、海兵隊が貧しい黒人がアメリカ社会で再起する唯一のチャンスである事。 そういった人種的な問題も大きく戦場での心理に多きく反映されてゆきます。
英雄になるために勇んで出兵した戦争で、理想と現実を思い知らされるネルソン氏の心理は
現在映画やゲームでしか戦争を知らない我々に現実的な恐怖を教えてくれるでしょう。
文章量も少なく読みやすいので、是非子供達に読んでもらいたい一冊です。 戦争怖い!


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